平安時代の城柵『志波城』を観て、熊の話を聞いて、熱燗なのにチェイサーを呑んでみました![陸奥国:岩手県盛岡市]

平安時代と言えば国風文化が花開いた太平の世というイメージがありますが、それは京(みやこ)の話ですよね(もっと言えば京でも豊かな生活をしていたのは500人程度のお公家さん達だけで、庶民はまったくの貧乏暮らし😑)。

特に東北地方はヤマト政権に統一すらされておらず、まだまだ独立した国家(勢力?)として存在していたのは皆さんご存知の通りかと思います。

そんな時代に、ヤマト政権の東北地方北限の城柵(拠点)として存在したのが志波城(しわじょう)です。
現在は歴史公園となって当時の建物の一部が復元されています。

盛岡駅から近いこともあって、今年のゴールデンウィークに行ってみました。

平安時代の城柵『志波城』を観て、熊の話を聞いて、熱燗なのにチェイサーを呑んでみました![陸奥国:岩手県盛岡市]

とてもとても見応えのある所でした。


  カッパ隊長 『平安時代の城柵『志波城』に行ってきたので紹介しますっ!』

◉志波城とは?

志波城についてもうちょっと詳しく(しかも簡潔に)盛岡市のサイトで紹介してくれています。

城柵(じょうさく)とは、奈良時代から平安時代にかけて、当時エミシと呼ばれていた東北地方の人々を朝廷が統治するために設置された、行政府(役所)です。
志波城(しわじょう)は、古代陸奥国(むつのくに)最北端・最大級の城柵として、坂上田村麻呂(さかのうえたむらまろ)により、803年(延暦22年)に造営されました。しかし造営後約10年で、雫石川の水害を理由に、その役割を徳丹城(とくたんじょう)に移しました。 志波城跡は東北の古代史上重要な歴史遺産として、国の史跡に指定されています。 - 盛岡市公式ホームページより

造ったのは、坂上田村麻呂なんですね〜。

志波城を造営したのは征夷大将軍:坂上田村麻呂(志波城古代公園案内所資料より)


◉志波城に行ってみる!

盛岡駅から4kmあまりのところに志波城はあります。現在は『国指定史跡志波城跡・志波城古代公園』として整備されています。

平安時代の大和政権北限の城柵『志波城』に行ってきました![陸奥国:岩手県盛岡市]
志波城園内イラストマップ(盛岡市公式ホームページより)

私はなんの前知識も無く「平安時代の城柵かぁ。一応史跡解説員だしなぁ、駅から近いし行ってみるかぁ。」程度の軽い気持ちで行ってみたのです。

志波城に近づくと巨大な門らしき建物が見えてきました。『城柵』という言葉の響きから私は小規模な仮設の陣のようなモノを想像していたのですが、どうやら全く違いそうです。

遠く道路から見える志波城の門らしき建物
遠く道路から見える志波城の門らしき建物

到着しました!
(ちなみに入場は無料です。と言うか何処からでも入れてしまいます😇。)

志波城古代公園入口(駐車場)
志波城古代公園入口(駐車場)


・志波城の規模

公園入口の看板によると、志波城は築地塀に囲まれていて政庁や官衙を備えていました。立派なお役所だったんですねぇ。

志波城(志波城古代公園入口看板より)
志波城(志波城古代公園入口看板)

外郭を含めた面積は当時の陸奥国府多賀城とほぼ同じ。政庁区域に至っては多賀城よりも広い!ちょっと驚きです。

志波城の規模(志波城古代公園資料(石碑)より)
志波城の規模(志波城古代公園資料(石碑))

多賀城と同じと言えば、そーとーデカいですよね😮。私も本当にビックリでした。


・外郭南門・築地塀

遠くから見えていたのは(復元された)外郭南門です。近くまで寄ってみるとなおさらその大きさに圧倒されます。高さは11.1m、幅は15.0mだそうです。ヒトと比べるとその大きさが良く分かりますね。

志波城 外郭南門
志波城 外郭南門

築地塀も高さ4.5m、奥行き2.4m、長さは外郭南門の両脇252メートルもあって迫力満点です。

外郭南門から政庁を臨む(志波城)
外郭南門から政庁を臨む

外郭南門をくぐって振り返ると、2階へのはしごがありました。残念ながら立ち入り禁止です。上ってみたかったなぁ。

志波城 外郭南門(裏面)
志波城 外郭南門(裏面)

これだけでもここが古代の巨大な施設であったことが分かると同時に、「コレ、復元するのも大変(というか大事業)だなぁ。盛岡市(岩手県?)お金持ちだなぁ。」と思うことしきりでした😋。


・竪穴建物域

外郭南門の先には政庁へと続く南大路が伸びているのですが、その傍らにいきなり竪穴式住居らしきものが目に飛び込んできました。

志波城 竪穴建物
志波城 竪穴建物

これらは竪穴建物と言うそうで、志波城内(外郭内)に1200〜2000棟が存在して、兵舎や工房として使われていたそうです。
(歴史の教科書で言うところの竪穴式住居ですね。)

竪穴建物域説明
竪穴建物域説明(画像をクリックすると拡大できます)

建物の中に入ることもできました。

志波城 竪穴建物は中に入れます
志波城 竪穴建物は中に入れます

正直、狭いのか広いのか、快適なのか否か、分かりません😅。

『竪穴式住居』と言うと私は弥生時代とかそこら辺の時代を想像してしまうのですが、平安時代もまだまだ竪穴式を使ってたんですね〜。こういう庶民の暮らし的な話をもっと歴史の授業で教えてくれないかなぁ(施政者の話なんかどうでもいいので)


・官衙(かんが)建物

竪穴建物域を抜けて、政庁へ向かってガンガン進みます。

志波城 南大路:中央奥に見えるのが政庁南門
志波城 南大路:中央奥に見えるのが政庁南門

政庁南門手前、右手に建物が見えてきました官衙(かんが)です。

志波城 官衙
志波城 官衙

官衙とはお役人が行政の実務(事務処理など)を行っていた場所です。
(ちなみに政庁は政治的儀礼(儀式)等を行っていた言わば象徴的な場所で行政の実務は行っていません。)

志波城 官衙
志波城 官衙

案内所で依頼すれば官衙建物の中を見ることができるそうですが、この時は時間の関係で残念ながら見れず…🥲。


・政庁エリア

いよいよ政庁です。だいぶ曇ってきました。

志波城 政庁南門
志波城 政庁南門

政庁南門をくぐると謎の壁。

志波城 政庁の謎の壁:政庁を隠してる!?(防衛用?)中が見えない…😅。
志波城 政庁の謎の壁:政庁を隠してる!?(防衛用?)中が見えない…😅。

謎の壁を過ぎると政庁の広大な広場にでます。東西の門は復元されています。残念ながら正殿や脇殿は復元されていませんが、立派な建物であったであろうことは門の造りや広場の広さから用意に想像がつきます。

志波城 政庁
志波城 政庁

政庁広い!

志波城 政庁
志波城 政庁


・古代公園案内所

公園内の史跡を満喫した後で、入口の案内所にも寄ってみました。

発掘された出土品や政庁のジオラマ(模型)、各種説明資料などが展示されています。

志波城 案内所内
志波城 案内所内

大型モニターでは志波城の歴史についてまとめた動画(確か15分程度)を観ることも出来ました。
(先にこの動画を観てから、実物を観たほうが理解が深まったかな😅。)

史跡を満喫し過ぎて(時間の関係もあって)案内所の方々と話をすることはできなかったのが残念です🥲。


・そのほか

公園の敷地内の真ん中(南門大路あたり)には一般道が通っていて普通に車🚗が走っています。

志波城敷地内を通る一般道
志波城敷地内を通る一般道

さすがに大きい公園ですね。私が訪れた時は公園内でゲートボールを楽しんでいる地元の方々もいました。


◉まとめ(?)

歴史を考えれば当たり前なのですが、戦国時代より前の建物って神社仏閣を除くと残ってないじゃないですか!
リアルに観れるって凄いですよね!

今までなんとなく知っているような気になっていた平安時代でしたが、実は全く知らなかったんだなぁ、と実感。

私が訪れたのはGW真っ只中でしたが、観光客は数える程(数人)。もっともっとみんな見に来ればいいのに。
つくづく『城柵』って呼称は止めたほうがいいように思いました。言葉の響きが軽すぎるなぁ。もっとカッコいい呼び方ないかなぁ。

Enjoy MORIOKA!



🥈おまけ①:熊よけ鈴🔔トーク

志波城を訪れた前日、盛岡へ向かう道すがら道の駅で熊よけ鈴を買いました。

熊よけ鈴
熊よけ鈴🔔

鈴のケースや説明書きには何も記載はありませんでしたが(恐らく)南部鉄製でしょう~。
いい音色です♪気に入ったので、この時は腰(ベルトループ)にぶら下げてみました。

次の休憩で国道4号沿いのコンビニに鈴をリンリン♪鳴らしながら入っていくと会計の時にレジの女性(オバちゃん)が話しかけてきました(こちらもオジちゃんです😁)。

・レジのオバちゃん🧑🏻‍🦱:「その音は熊よけ鈴🔔ですか?この辺もね、熊🐻出るんですよ〜。この間もすぐそこに出ました。」
・私🐸:「ホントですか🤯!?怖いですね~。」
・レジのオバちゃん🧑🏻‍🦱:「そうなんですよ。ご旅行ですか?今日はドコまで?」
・私🐸:「盛岡まで(です)。」
・レジのオバちゃん🧑🏻‍🦱:「(盛岡)市内も熊🐻出ますからね。気を付けてくださいね。」
・私🐸:「えっ、盛岡市内も🤯!?」

盛岡市内も熊が出没するようになったんですね。温暖化も含めて考えさせられることが多いですね😣。


🥈おまけ②:熱燗🍶にチェイサー😮!?

盛岡に泊まった晩は盛岡駅近くの(若い)2人が切り盛りしている小さな居酒屋のカウンターで夕食にありつきました。

肌寒い夜だったので熱燗を注文するとフロア係のアンチャンがお銚子・おちょこ🍶と共に水色のグラスを持ってきました。

・フロア係のアンチャン👨🏻:「おまたせしました。熱燗です。こちら(水色のグラス)はチェイサーになります。」
・私🐸:「・・・。」

熱燗にチェイサー🤯?俺には馴染みがない飲み方だけど…。これって、①盛岡の流儀なのか、②最近アルコール離れが激しい若者向けの気遣いか(お店の2人も若いし)、それとも③この店のスペシャルなのか…。

熱燗にチェイサー
熱燗にチェイサー(水色のグラス)

他にお客さんが居ないこともあってお店の2人とは取り留めのない観光客トークをしたのですが、結局このチェイサーの件は訊きそびれてしまいました😓。

今考えれば訊いときゃよかったなぁ、と思うことしきりです😣。



ℹ️関連情報

・今回の地図🗾(Googleマップ)


・外部リンク🔗


  • そのほか:

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